渇水

2022 ROWDSHOW

2023.06.05

公開初日舞台挨拶 イベントレポート

本作が6月2日に公開初日を迎え、舞台挨拶を実施しました。

主演の生田斗真さんをはじめ、門脇麦さん、磯村勇斗さん、山﨑七海さん、柚穂さん、白石和彌プロデューサー、髙橋正弥監督が登壇し、遂に公開を迎えた心境や映画にちなんだトークテーマを展開しました。


■イベント概要
映画『渇水』公開初日舞台挨拶
日時:6月2日(金)
場所:TOHOシネマズ日比谷
登壇者(敬称略):生田斗真、門脇麦、磯村勇斗、山﨑七海、柚穂、白石和彌プロデューサー、髙橋正弥(監督)




上映後の温かな拍手に迎えられ登壇した生田さん、門脇さん、磯村さん、山﨑さん、柚穂さん、白石さん、そして髙橋監督。

生田さんが「本当に大変な天候の中、足を運んでいただいて感謝しております。天候がどうあれ、初日はすごく嬉しくて、何度迎えてもいいものだなと思っております。皆さまのお力をお借りしてこの映画をどんどんたくさんの方に届けていきたいと思っております。」と、門脇さんが「二年前に撮影した作品で、私自身も思い入れがある作品なので、無事初日を迎えることができて感慨深い気持ちです。」と、磯村さんが「数ある映画の中から『渇水』を選んでいただいて、足を運んでいただいてありがとうございます。」と、山﨑さんが「6月2日を迎えられてとても嬉しく感じています。短い時間ですがよろしくお願い致します。」と、柚穂さんが「こんばんは。柚穂です。今日は来てくれてありがとうございます。」と、白石さんが「髙橋監督が長いこと温めて、作りたいという思いでここまでこれた作品です。その作品の初日に関われて嬉しく思います。」と、監督が「雨っていうのは災害もあったり色々大変なこともありますが、この映画をご覧いただいた方には“希望の雨”となって皆さんの心に染み入ることを願っております。」と挨拶し、舞台挨拶がスタートしました。

1990年に書かれた同名小説の原作が、時を経て今日公開されることに関して、監督は「バブル期の終わりに華やかな生活の裏で、貧困だったり格差社会だったり児童虐待が描かれている作品だったんですが、2020年代もそういった問題は解消されていなく、どんどん顕在化していっている状況でこのまま更に20年30年経っても変わらないのは、大人として変えていかないといけないという思いもありまして、次の世代に格差社会、貧困、ネグレクトなどが無くなるように、そういう事を伝えるために作りました」と熱い思いを明かした。白石が「この時代にこの作品を映画化することに意義があったとこの映画を観てすごく感じることができた。その監督のメッセージを受け取ってもらえると嬉しいです。」と語った。

劇中で最も好きなシーンを尋ねられると、生田さんが「水のないプールの中でシンクロナイズドスイミングごっこの遊びをしているシーンがすごく輝いて見えて、今でも鮮明に覚えていますね。本当に輝く水が見えるような気がして、二人の煌びやかさが際立っていたシーンでした。」と、それに対して山﨑さんも「私もすごく好きで、あのシーンから物語が始まるので、二人の幸せの裏に辛いことがあるんだなと思って」と話しました。門脇さんは「生田さん演じる岩切の感情が決壊した瞬間がグッときましたね。自分の感情に蓋をして見ないようにしてきて、でも姉妹と出会ってダムの壁が壊れたみたいな。すごい印象に残ってます」と話すと、生田さんは「普段の生活や嫌なことを何も感じないように生きてきた岩切なので、とても大切にしていたシーンだったので嬉しいですね」と撮影を思い出しながら話しました。磯村さんは「門脇さんのネイルを塗っているシーンが、現場で見てても本当に渇ききっているのが伝わってきて、何もしゃべらなくても説得力がある」と、山﨑さんは「(水のペットボトルを)万引きするシーンで、やったことないのにリアルに映っていて、あのシーンが印象深いなと思います」と話しました。

柚穂さんは「生田さんと同じで、渇いたプールでシンクロの踊りをしているのが印象に残りました。お姉ちゃんに合わせるようにちょっとオロオロしながら踊りました。」と話し、監督もそのシーンについて「この映画の姉妹としての出だしでもあったので、とてもうまくはまったなと感じたシーンでした」と振り返りました。

監督は「気持ちが高ぶったのは滝のシーン。雨が続いたスケジュールだったんですが、白石さんが現場に来てくれて、晴れたんですけど、太陽が滝に差し込んでいる瞬間をみて、早く!早く生田さん呼んでくださいっていう感じで撮影してました」と一瞬のタイミングを逃さないように撮影したシーンだったことを明かし、生田さんも「すごい高ぶってて、雨続きだったんで滝の水量が多くて、流れの急なところで構えて待ってて(笑)」とベストなタイミングに前のめりで撮影を頑張ったシーンと振り返りました。

また、出演者皆さんの「ここがすごい!」というポイントを尋ねられた髙橋監督は、生田さんに関して「目の力にすごい射貫かれていて、岩切は生田さんに演じてほしいって思っいて。最後の爆発する芝居の時に一番いい目をしてくれましたし、この映画の冒頭から段々目が死んだように疲れていく様を表現してくれて感銘を受けて、生田さんで良かったなという思いです。」と生田さんの演技に太鼓判を押しました!姉妹役の二人については「山﨑さんは生田さんの目力に負けない少女を今回求めていたので、難しい芝居があったと思うんですが、見事表現してもらって最後の笑顔に繋げられたってことがすごく良かったです。柚穂さんはキャスティングした時からダンスが大好きってことで選ばせてもらったんですけど、本当に体を使って踊り、走り、色んな部分で子供らしさを体現してくれた」と大絶賛!監督のコメントに「どんな顔をして聞いてればいいのか分からないよね」と照れくさそうな生田さんでした。白石さんも「『渇水』という一見地味な作品の中で、実在感をみんなが作っていて、この作品を素晴らしくしている」とそれぞれの演技が光っていることをアピールしました。

台湾での公開が決定していることに関して、世界の映画祭で様々な日本の作品が受賞し、話題になっていることに触れ海外の映画祭で上映されることに対して生田さんは「国を超えて我々の作品をたくさんの人に届けられるのは嬉しいなと思っておりますし、先輩の役者さんも受賞されましたけどもかっこよくて、憧れますね。我々も頑張らないといけないなと思いました。」と、白石さんは「貧困とか格差というのは今世界の映画でも一つのテーマでもあるし、水がないと生きられないっていうのは同じなのでこの作品の気持ちは理解してもらえると思う。どう感じとってくれるのか楽しみです。」と意気込みを語りました。監督も「『渇水』が海外の人にどれくらい受け入れられるか分かりませんが、日本映画、日本俳優の力を世界に発信していければと思いますので、皆さま応援よろしくお願いします。」と観客に呼びかけ、大きな拍手が会場を包みました。

最後に、生田さんが「原作は30年以上も前の作品ですが、この時代にこのメンバーで届けられたこと嬉しく思っております。河林さんも苦労が多かった方と伺っております。その河林さんの情熱が時を経て実を結んだと思っております。この映画を、長い人生ですけど大切にしていきたいと思います。」と、監督は「今壇上に上がっている俳優さん、それ以外の方々も含めてとても熱演していただいた作品だと思いますし、こういった映画を色んな方に届けていけるように我々も頑張っていきますので、周りの方に広めていただいて引き続きよろしくお願いいたします。」と観客にメッセージを送り、舞台挨拶は終了しました。

以上