映画『シェルビー・オークス』公式サイト

12月12日(金)公開

A24と並び今最も注目を集める気鋭スタジオNEON(『ロングレッグス』『THE MONKEY/ザ・モンキー』)が放つ戦慄ホラー!
※劇場パンフレットより一部抜粋、
一部加筆を行った公式サイト ver.です。
オリジナルの全文はパンフレットにて
お楽しみください。
オズグッド・パーキンス監督の『ロングレッグス』(24)や『THE MONKEY/ザ・モンキー』(25)といったホラー映画を大ヒットさせ、配給作『パラサイト 半地下の家族』(19)と『ANORA アノーラ』(24)がアカデミー賞作品賞に輝くなど、今やA24をも凌駕する勢いを見せるインディペンデント・スタジオ、NEONが北米配給を手がけた『シェルビー・オークス』。人気YouTuberで映画評論家でもあるクリス・スタックマンのこのデビュー作は、監督の故郷オハイオ州を舞台にしたファウンドフッテージ・ホラーと見せかけて、『ローズマリーの赤ちゃん』(68)を彷彿とさせる悪魔絡みのスーパーナチュラルホラーへ転化するというユニークな作品だ。数々の謎がちりばめられたミステリアスな作品だが、この徹底解析を読んで、ぜひ映画を振り返ってみてください。
小林真里 映画評論家/映画監督

オハイオ州

アメリカ中西部の州で、州都はコロンバス(人口1100万人。2024年時点)。観光名所として、ロックの殿堂や国立アメリカ空軍博物館、シダーポイント(アミューズメント・パーク)、クリーブランド美術館などが有名。オハイオでは『エルム街の悪夢』(84)や『羊たちの沈黙』(91)、『スクリーム2』(97)といったホラー映画や、『ショーシャンクの空に』(94)やトッド・ヘインズ監督作『キャロル』(15)、ジェームズ・ガン監督の『スーパーマン』(25)なども撮影された。著名人ではスティーヴン・スピルバーグやウェス・クレイヴン、ジム・ジャームッシュ、ポール・ニューマン、ハル・ベリー、サラ・ジェシカ・パーカー、ケイティ・ホームズ、マギー・グレイスらを輩出。『シェルビー・オークス』の監督クリス・スタックマンと主演サラ・ダーンもオハイオ出身だ。

パラノーマル・パラノイド

オハイオ州を拠点にした架空のアマチュア心霊現象調査チーム。メンバーはライリーを含む4人。2021年の5月から7月にかけて、ライリーのVlogやギターを弾きながら歌っている姿、心霊スポットの調査(小学校や刑務所など)、そしてライリー失踪前の最後のメッセージまで、13本の動画がYouTubeにアップされた。これらの映像は部分的に『シェルビー・オークス』の劇中で使用されている。動画は現在もYouTubeで視聴することができる。

Kickstarterキャペーン

映画『シェルビー・オークス』は2021年後半に撮影を開始する予定だったが、製作資金不足と国際映画劇場労働組合(IATSE)のストライキが起こる可能性を考慮し(その後回避)、延期に。その後、2022年3月1日から製作資金を集めるため、Kickstarterでクラウドファディングを開始。3月25日までに100万ドルを集めることに成功し、Kickstarter史上最も資金を集めたホラー映画となった。同年5月のカンヌ国際映画祭でカミール・サリヴァンやサラ・ダーン、ブレンダン・セクストン三世らキャストの名前が発表され、5月9日から6月5日までオハイオ州で主要撮影が敢行された。8月からポストプロダクションが始まる予定だったが、SAG-AFTRA(映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟)のストライキの影響で延期に。2024年1月に監督のクリス・スタックマンは、ポストプロダクションが完了し、映画のワールドプレミアの場となる映画祭を探していることを報告した。

マイク・フラナガン

本作の製作総指揮はマスター・オブ・ホラー、マイク・フラナガン(『ドクター・スリープ』(19)、Netflixシリーズ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(18))。クリス・スタックマンとフラナガンは、映画評論家でもあるスタックマンが自身のYouTubeチャンネルにフラナガンのブレイク作『オキュラス/怨霊鏡』(13)のレビュー動画をアップしたことをきっかけに仲良くなったという。ところで『シェルビー・オークス』は、フラナガンの長編監督デビュー作『人喰いトンネル MANEATER-TUNNEL』(11)と共通点が少なくない。同作は夫が消息不明になった女性が7年経ってその事実をようやく受け止め、妹とともに暮らし始めるが、近所で不気味なトンネルを発見し夫の失踪が偶然ではないことを悟る…というストーリー。この作品も『シェルビー・オークス』同様に、Kickstarterのクラウドファンディングを通じて製作費(7万ドル)を集めた。フラナガンの新作はスティーヴン・キングの小説をベースにした「キャリー」のTVシリーズで、2026年にAmazon Prime Videoで配信予定。キャリー・ホワイトを演じるのはカナダの新進女優のサマー・H・ハウエル(『デストラップ/狼狩り』(20))。

シェルビー・オークス

映画の舞台はオハイオ州ダーク郡の廃墟の町、シェルビー・オークスという設定だが、この町は実在しない。劇中のニュース番組に写るマップを見る限り、位置的にはゴードンという町かその近辺。90年代末にゴーストタウンになったという設定。オハイオには「ヘルタウン(Hell Town)」という廃墟になった町があり、実際にそのエリアでも『シェルビー・オークス』の撮影が行われたという。

オハイオ州立矯正施設

廃刑務所のシーンが撮影されたのが、若年層向けの刑務所、オハイオ州立矯正施設。1886年に誕 生した、この歴史的な施設は1990年に閉鎖されたが、多くの映画やTVシリーズの撮影で使用され ている。その代表的な作品がフランク・ダラボン監督の『ショーシャンクの空に』(94)。この 場所は幽霊に取り憑かれていると言われており、体験ツアーも行われている。入場料金は大人40 ドル(約6220円)。

デストラップ 狼狩り(Hunter Hunter)

監督クリス・スタックマンは2020年のベスト・ムービーの一本にショーン・リンデン監督のホラー 『デストラップ 狼狩り』を挙げており、その時に絶賛していた同作の主演カミール・サリヴァン を『シェルビー・オークス』に抜擢した。ちなみに『デストラップ 狼狩り』準主演のカナダ人女 優サマー・H・ハウェルは、マイク・フラナガン監督の「キャリー」TVシリーズ(26)で主人公 キャリーを演じている。