メガネが、彼らの<せかい>を変えた。

[文部科学省選定(青年、家庭向き)]北乃きい  森崎ウィン/駿河太郎  高橋愛  秋田汐梨  磯野貴理子  津田寛治  榎木孝明  東てる美  佐野史郎/かたせ梨乃  小泉孝太郎/監督:児玉宜久 原作:藤岡陽子「おしょりん」(ポプラ社) 脚本:関えり香  児玉宜久/制作プロダクション:広栄 トロッコフィルム 配給:KADOKAWA ©「おしょりん」制作委員会

日本の眼鏡の95%を生産する福井。ゼロから立ち上げた兄弟と、二人を信じ続けた妻の感動の物語。

10月20日(金)、福井先行公開/11月3日(金・祝)、角川シネマ有楽町ほか全国公開

ものづくり、それはこころづくり。
彼らが人生をかけたのは、メガネから見えるしあわせ。

解説

日本製メガネの95%! は福井県で生産されている! その始まりは、明治時代のことだった。豪雪地帯のため冬は農作業ができず収入の道がなくなる村を助けようと、その地で生まれ育った増永五左衛門と幸八の兄弟が、全身全霊を注いだのだ。その史実をもとに、“ものづくり”の魅力と、実用品かつ装飾品でもあるメガネに渾身の技術と魂を吹き込む職人と、そんな彼らを支える家族を描く。
「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が固く凍った状態を指す福井の言葉。おしょりんになれば、回り道しないで好きなところへまっすぐ行ける。いくつになっても、どんな時も、夢に向かって自由に突き進もうという想いが込められた、挑戦と情熱と愛の物語がここに完成した。

物語

明治37年、福井県足羽郡麻生津村あすわぐんあそうづむらの庄屋の長男・増永五左衛門と結婚したむめは、育児と家事で忙しい日々を送っていた。ある日、五左衛門の弟の幸八が勤め先の大阪から帰郷し、村をあげてメガネ作りに取り組まないかと持ち掛ける。今はほとんど知られていないメガネだが、活字文化の普及で必ずや必需品になるというのだ。成功すれば、冬は収穫のない農家の人々の暮らしを助けることができる。初めは反対していたが、視力の弱い子供がメガネをかけて大喜びする姿を見て、挑戦を決めた五左衛門は、村の人々を集めて工場を開く。だが、苦労の末に仕上げたメガネが「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から銀行の融資を受けるも厳しく返済を迫られ、兄弟は幾度となく挫折する。そんな二人を信じ、支え続けたのが、決して夢を諦めない強い心を持つむめだった。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、“最後の賭け”に打って出る──。

登場人物

スタッフ

監督・脚本
児玉宜久

1961年10月9日生まれ、東京都出身。
東京工学院専門学校映画芸術科を卒業後、EX・石原プロ製作「西部警察Ⅱ」から助監督として業界入り。以後「あぶない刑事」など多数のドラマ、映画に携わる。映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(06)ではセカンドユニットチーフ助監督としてその手腕を発揮。カーアクション場面での演出評価が高いだけではなく、人間ドラマを描くことにも定評がある。主な作品にEX「ショカツの女」、TBS「警視庁機動捜査隊216」、TX「トカゲの女」、TX「警視庁強行犯係樋口顕」、映画『えちてつ物語 わたし、故郷に帰ってきました。』(18)など。

脚本
関えり香

1973年生まれ。福井県出身。
00年、TBS「悪いオンナ ルーズソックス刑事」でデビュー。その後、TBS「H2」、NHK連続テレビ小説「てっぱん」、KTV「後妻業」、EX「ハマる男に蹴りたい女」などドラマ脚本を手掛ける。映画脚本作品に、『自虐の詩』(07)、『<a>symmetryアシンメトリー』、『櫻の園』(共に08)など。

原作
藤岡陽子

1971年生まれ、京都府出身。
大学卒業後、報知新聞社にスポーツ記者として勤務。退社後、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に小説執筆を始め、06年、「結い言」で北日本文学賞選奨を受賞し、09年に「いつまでも白い羽根」でデビュー。
他の著書に「海路」「トライアウト」「手のひらの音符」「きのうのオレンジ」「金の角持つ子どもたち」などがある。